河童国「虹の谷」

 ものがたり / 青柳玲子
人形 / 
きたかおる・ 青柳玲子

ぴったーん。

日本列島の中ほどに、
マナンタグラという
優美な岩山があり、
ふもとに、小さな異界がある。

河童国「虹の谷」

令和元年、虹の谷の河童たちから、
建国の声明が届けられたばかり。

その国を
まだ、誰も知らない。


「序」 

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令和元年、楽天亭四季のぎゃらりー夏の展示会でお披露目した、河童国「虹の谷」の小説版です。今回の「序」では、建国までを書きました。

愛すべき河童たちが棲む「虹の谷」の異界と、人間界がだんだん近づいてきて、お互いの姿が薄っすらと見えるようになってきちゃった・・・・さあ、どうしよう!? っていうお話です。

人間界と異界の話を、異界側から書きたいと思っているので、人間界の不思議の青柳流謎解き、満載です。

今年は、新型コロナの流行で、人間界も今までの常識がどんどん変わって行くことでしょう。河童たちが、長い異界の常識がまるまる変わってしまう時代に遭遇して、どうやって乗り越えていくのか・・・・。作者も、河童たちに教わりながら、楽しみに書いております。

どうぞ、お付き合いくださいませ。

登場河童

「虹の谷」の面々です。
どうぞお見知り置きを。

小梅さん
「虹の谷」の門番、ケンさんの奥さん。
活発であねご肌で「虹の谷」の総合的なお世話役というところ。いつもおっとりしたテンポで、優しすぎるケンさんの、見事なフォロー役でもある。門番の奥さんという立場は、けっこう気に入っている。他の国との交渉ごとも、小梅さんの役目である。
対馬
祈祷師であり、語り部として、琵琶を弾く。
琵琶の音色にのせ、河童国の歴史を語り伝える職でもある。650年前、この谷の人間階層で鉱山開発が始まった時、銀の採掘技術が早期に伝わった対馬より、鉱山の安全を祈る為に、採掘師と共にやってきた。ある事情があって、この谷の異界に住み続けている。
ケンさん
河童国に邪気が入ってこないように、体も大きく強面のケンさんが門番に選ばれた。元来優しすぎる性格で、風貌以外は、ほとんど門番の役割をなさない。活発小梅さんにぞっこんで、今はふたりで門番をしている。龍神国が河童国を助けてくれたことがあり、甲羅の龍は、今も気の弱いケンさんのお守りである。
さくらさん
「虹の谷」の女性リーダーは、代々「さくら」を名乗ることになっている。リーダーになるのは、優秀な植物学者であり、農業の目安になる暦を扱えないといけない。幼い頃に決められ、すでに、植物の知識は半端でない。虹の谷では4月29日の春祭りに、ソメイヨシノの桜の花が満開になって、農作業が始まる
スーワとハミング
世界各国をまわり、情報を集めて記録する、河童国の筆頭書記官。図書館の管理もしているので、いつも古い本や粘土板を読んでいる。ナトとケトの良きパパ。ハミングは南米の異国からやってきたハチドリで、高速の羽ばたきの振動や、高周波の美しい歌声で、色々な病気を治してくれる。
ケト
ナトの弟。いつも好奇心でいっぱい。昆虫や魚、鳥については、河童国の誰よりもよく知っていて、幼いけれども、河童たちと虹の谷の動物たちが、うまくお付き合いするのにひと役買っている。時折り、駄々っ子になるケトを、みんなが面白がるので、役割に応じて身体年齢が決まっていく河童国では、ケトは成長できず、小さな子供の姿のまま何十年も過ごしている。
サルタン
「虹の谷」の異界を創った小富士仙人の命令で、谷の入り口で、結界を張って谷を何百年も守ってきた。最近は訪れる人も少なく、居眠りをしていたところ、結界がゆるんできたのを知った、虹の谷の面々によって叩き起こされる。忘れられそうになっている、路傍の石碑の由来を語ってくれる。
対馬
祈祷師であり、語り部として、琵琶を弾く。
琵琶の音色にのせ、河童国の歴史を語り伝える職でもある。650年前、この谷の人間階層で鉱山開発が始まった時、銀の採掘技術が早期に伝わった対馬より、鉱山の安全を祈る為に、採掘師と共にやってきた。ある事情があって、この谷の異界に住み続けている。
ここまでが、物語「序章」に
登場する河童たちです。

▷ 閑話休題 ◁

河童国は人間界と階層がほとんど重なっていて、「虹の谷」は河童国と人間界の両方にあります。人間界の「虹の谷」も覗いてみたいなー、とお思いでしたら、下のボタンからワープできます。
「序章」には、河童国「建国まで」のお話を書きました。河童国のものがたりは、講談社の無料小説投稿サイト「Novel  Days」で連載いたします。ぜひご感想をお聞かせ下さいませ。
 
ここからは、続いていく物語の、チラッと見せも兼ねて、次のお話からの主な登場河童と、物語と人形の作者をご紹介いたします。
ジョン
ある時、シオンの花を1本持って他の異界から転げ落ちて来た。シオンの花言葉は「君を忘れない」。周波数の違う異界を移動すると、元の世界の記憶を失ってしまう。ジョンがこの谷に来た時、ヒメジオンが満開だったので、みんながジョンと呼ぶ。小さかったジョンも、みんなの世話で、立派な青年になってきた。
たいらっぴょん
虹の谷、マナンタグラ西方の平標山(たいらっぴょうやま)の仙人。仙人棒に、寒気を集めてソフトクリームを作り、暗い時には、微かな月明かりや星の光を集めて灯明とし、寒い時には火気を集めて暖をとる。虹の谷 の小富士仙人の親友。旅に出たまま帰ってこない小富士仙人の代わりに、時々、見回りに来る。
ミコさん
虹の谷のビーナス。むかしの河童国には魔女も沢山いて、美の女神の座には、長らく美しい魔女がついていたが、美子さんに、その座を譲った。魔女は泣き暮らしたが、その泣き声が美子さんに聞こえるのを恥じて、美子さんの聴力を奪ってしまった。美しく踊り、人を優しくさせる。虹の谷のステキな美容アドバイサーでもある。
ナト
書記官スーワとマンバの長男。隣谷の「赤谷の森」のイヌワシと大の仲良し。友情の証にもらった風切り羽根の一本を、いつも髪につけている。時折、イヌワシの背中に乗って遠くまで遊びに出かけて行く、冒険好きな少年である。マンバの度胸とスーワの思慮深さを受け継いで、賢くて頼りになるのだが、シャイで無愛想なのがちょっと・・・。
ココロン

人間界に生まれたのだが、食事が合わなくて、あまり食べないで生活している河童国を知り、訪ねてきて、居ついてしまった。人間界とも、違和感なく行き来できる、特殊な能力があるので、河童国の「建国」にあたって、入国審査官になった。人間が河童国を訪れるには、ココロンの許可がいる。

マンバ
スーワの奥さんでケトとナトのお母さん。世界中を飛びまわる仕事のスーワが、世界一明るくて、強くて、自分を守ってくれそうな女性をさがして来た。勇敢なマンバ族の「族長」の娘で、族長はスーワの良き相談相手になってくれる。マンバ族の土地で、大事な仕事があって、単身赴任中。週末には大音量の声と足音を響かせて、虹の谷に帰ってくる。
たいらっぴょん
虹の谷、マナンタグラ西方の平標山(たいらっぴょうやま)の仙人。仙人棒に、寒気を集めてソフトクリームを作り、暗い時には、微かな月明かりや星の光を集めて灯明とし、寒い時には火気を集めて暖をとる。虹の谷 の小富士仙人の親友。旅に出たまま帰ってこない小富士仙人の代わりに、時々、見回りに来る。

作者の紹介

ものがたりと人形 青柳 玲子
ホントは、絵描きです。令和元年の夏、河童の人形を作ってみたら、絵でも人形でも、たとえ料理でも、何かを創る時は、自分の中にストーリーができていると気付きました。父や母やその友人達が、児童小説を書くのを見て育ち「私が挿絵をつけてあげる」と、絵描きになったのを思い出しました。初めて書くものがたりは、私のスピリチュアル体験、てんこ盛りです。
人形制作(対馬) きた かおる
「なぜ河童なんですか?」と聞いてくれる人がいる。うれしいですねえ。幼い頃の、冒険心や憧れや恐れや喜び・・・それを捏ね合わせたら、河童になりましたってことです。画学生の頃、山種美術館で、川端龍子の「沼の饗宴」を見ました。絵の前にずっと居ました。河童ってのは、人の心の奥底にある、幼い頃の、何かに染まってない、無垢な感情を思い出させてくれる、僕にとっては、そういう存在なのかも知れません。
人形制作(対馬) きた かおる
「なぜ河童なんですか?」と聞いてくれる人がいる。うれしいですねえ。幼い頃の、冒険心や憧れや恐れや喜び・・・それを捏ね合わせたら、河童になりましたってことです。画学生の頃、山種美術館で、川端龍子の「沼の饗宴」を見ました。絵の前にずっと居ました。河童ってのは、人の心の奥底にある、幼い頃の、何かに染まってない、無垢な感情を思い出させてくれる、僕にとっては、そういう存在なのかも知れません。